ニコラ・ジェスキエールが産んだマルタージュ
ルイ・ヴィトンには、それまでになかったようなラインが生まれることがあります。
それも、ディレクターの腕次第ですし、豊かな発想があるからこそ、新しい命を吹き込んでくるわけです。
マルタージュもそれまでのルイ・ヴィトンとは全く違うラインとして生まれています。
これも、それまでのディレクターであったマーク・ジェイコブスから変わったニコラ・ジェスキエールが始めた2013年に発表したものだからです。
今までのコンセプトから、自分のカラーを出していこうということが良く見て取れるといえるでしょう。
マルタージュを生み出すことになったニコラ・ジェスキエールは、バレンシアのデザイナーでした。
1998年に就任して依頼、老舗ブランドのバレンシアを再生させたことで一躍有名になります。
そのバレンシアから移籍して、初の作品がマルタージュだったのですから、その才能を選んだことは間違いがなかったと称されたのです。
強烈な印象を残すことになるひし形
一見すると、マルタージュのひし形は、シャネルのマトラッセを意識したのではないかと映ることでしょう。
ですが、これは大きな間違いです。
全く知らなかったということはないはずですが、ルイ・ヴィトンの期限でもあるトランクの内張りにヒントを得たといわれています。
ルイ・ヴィトンは、スーツケースを作るブランドでした。
それが、さまざまな商品を作るようになり、現在の地位を築いてきたといえます。
その起源となったトランクを開けてみると、内側には荷物を保護するためのキルトが貼られており、そのキルトはひし形に縫い付けられていたのです。
強烈な印象を感じたニコラ・ジェスキエールは、これをルイ・ヴィトンの新しい息吹として取り入れ、マルタージュを作り上げたのですから、デザイナーとしての高い能力がわかるでしょう。
古き良きデザインを生かすことができるセンス
マルタージュは、まったく新しいデザイナーのもと生まれた新鮮なデザインであることは間違いありません。
その強烈なデザインセンスは、何も奇抜なところにあるわけではありません。
日本語で言えば、温故知新という言葉がぴったりであり、伝統を取り入れることができる革新的なデザインセンスを持っていたといえるでしょう。
ルイ・ヴィトンというブランドを大切にしつつ、新たな風を取り入れた功績は大きく、ニコラ・ジェスキエールの評価は一気に高まっていくことになるのです。
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